物件探しの盲点は引越し先のご近所付き合い
引越し経験があまりないと、物件探しをする際にどうしても家賃や購入価格、物件の広さ、新しさや環境などに目が行ってしまうものです。
様々な条件を配慮して、ようやく住居を選んだとしても、住んでみてわかるのが「ご近所付き合いの難しさ」だったりします。このご近所付き合いに関する情報収集は見逃しがちな物件選びの注意点といえるでしょう。
例えば、購入した中古物件の屋根が傷んでいて雨漏りするとしたら、修繕費はかかってしまいますが、修繕すればその悩みは解決しますよね。
けれどご近所づきあいに関してはお金で解決できるものではありません。
長く住むつもりの物件をみつけるなら、そうした点もきちんと注意していくべきですね。
物件探しのコツ〜その土地に詳しい不動産会社を選ぶ
たいていの不動産会社は、その土地の物件を扱っていますから学校がどこにあって学区はどのあたりまでかとか、近くにあるコンビニはどこでスーパーマーケットはどこにあるのかとか、そうした情報はよく把握していますし親切に教えてくれるはずです。
ところが、「ご近所付き合い」は目に見えませんからその土地に本当に詳しくないと情報として持っていないものなのです。
地元密着の不動産会社なら「ご近所づきあい」のような目に見えない情報もよく把握しています。
親の代からその土地で不動産業を営んでいるとか、自分自身ももちろんその土地出身で長く住んでいるなどで地元のことを理解しているからです。
同じ市内でも、農業者が多い地域と商業地域、住宅ばかりの地域では町内会の雰囲気も付き合いの濃さもまったく違うということは珍しくありません。
町内会費も、地域によってとても大きな差があるということも覚えておいた方が良いですよ。
冠婚葬祭のお付き合いも千差万別
冠婚葬祭の付き合いはまったくない地域もありますし、ご近所というだけで、万単位でご祝儀や香典を集める地域もありますし、町内会費から少しお祝いやお悔やみを出すだけという地域もあります。
Mさんは知らずにお付き合いの濃い農業地域へ引っ越してしまい、半年の間に払った香典だけで3万円を超えているとか。
ご近所にはまだまだ高齢者が大勢いるため、いったいあといくら払うのだろうとうんざりしているのだそうです。
しかもMさん宅には高齢者はいませんからもらうことはないということでした。
葬儀のお手伝いについても、昔ながらのことをそのまましている地域では、自宅ではなく葬儀場での葬儀だというのに「受付」として町内会の人がずらりとお手伝いに出ているそうです。
そうした地域に引っ越してしまい、平日に葬儀があったため仕事を休めなかったSさんは後に「不義理ばかりしている」と噂されていることを知ったといいます。
こうしたご近所付き合いのトラブルを避けるためにも、長く住むつもりの場所を探すなら、不動産会社はできるだけ地元密着で情報に詳しいところを選びましょう。
物件探しのコツ〜ご近所情報は自分で聞き込みして調べる
長く住むための物件探しをしていて、良い物件がみつかったら、不動産会社の営業担当者にそのあたりのご近所づきあいの特徴などを尋ねてみてください。
よくわかればそれで良いのですが、はっきりしないようなら自分でご近所の人に尋ねてしまうというのも良いですよ。
はじめは少々声をかけるのに緊張してしまうかもしれませんが、もしも住んでみてからご近所づきあいが自分には向いていないタイプの地域だった場合の辛さを考えたら、ここで勇気を出す方がよほど楽です。
いただきものがたくさんあったときには、お裾分けなどしたいタイプで、人懐っこくて寂しがり屋の人が、「これ、頂き物ですが良かったらすこしどうぞ」とお隣さんに届けたら、面倒くさそうに出てきて形だけのお礼を口にするような冷たいご近所付き合いの地域へ長く住めばストレスになるはずですよね。
逆に、仕事が忙しくて家ではゆっくり休みたいというタイプの人が、家にいるとしょっちゅう近所の人がお裾分けを持って訪れるようでは「お裾分けなんていらないからそっとしておいて欲しい」と感じてストレスになるでしょう。
「聞き込み」というと大げさですが、長く住むための物件探しで良い物件がみつかったら、まずはお向かいさんやお隣さんなどのご近所さんの居そうな時間帯にチャイムを押して訪ねます。
相手の負担にならない程度の小さなお菓子など用意して手渡すのも好印象ですよ。
「すみません、こんど隣の家に引っ越してくるかもしれない○○と申します。これ、○○の名物なので少しですが召し上がってください」
と話しかければたいていは親切に話をしてくれるモードになります。
「実はまだ、決めかねているのですが、このあたりは、ご近所づきあいはどんなふうですか?」
こんな感じで様子を探ります。相手がおしゃべりなタイプなら、質問をはさみながら聞いていれば多くの情報を得ることができます。
あまりおしゃべりではないような相手なら具体的に質問していきましょう。
「私は仕事をしていてあまり時間が取れないのですが、町内会のお付き合いとかって、たくさんありますか?」
「冠婚葬祭のお付き合いもありますか?」
「班長さんのお仕事はどの程度ですか?」
こんな感じで尋ねていけば、だいたいのところはわかるはずですよ。
まとめ
物件探しの見逃し勝ちな注意点として、引っ越す地域のご近所付き合いがあげられます。
引越し先のご近所付け合いについての情報は、その土地に詳しい不動産会社に聞いたり、自分でお向かいさんやお隣さん等に聞き込みして調べましょう。
ご近所の人に話しかけるのは気が引けるという人も多いかと思いますが、訪ねた家の人がとても不親切な人だった場合、早くにそれを知ることができて良かったと思えるはずです。
長く住むための物件探しだからこそ、後に後悔のないようにしていきたいものですね。