引越しの挨拶は誰にどのタイミングですればいい?時間帯は?
引越し前後は荷物整理に忙しいですが、忘れてはいけないのがご近所への挨拶です。
女性の1人暮らしの場合は防犯上、わざわざ挨拶する必要はないとされますが、それ以外の場合、できればタイミングよく挨拶しておきたいもの。
引越し挨拶に伺うタイミングや粗品の中身やのし、不在対応などについてまとめました。
また、引越し挨拶で誰もがやってしまいがちなうっかりミスに後から気づいて慌てたMさんの体験談も掲載していますので、参考になさってください。
現代引越し挨拶事情
引越し挨拶は必要なものと思っている人が多いようですが、実際にはしない人もいるのです。
リクルート住まいカンパニーによる「引越しに関する実態把握調査」(18歳〜69歳20000人男女対象)によると、引越し先新居で挨拶した人49.2%、しなかった人50.8%で挨拶しなかった人が半数以上。
世代別に見ると、10〜20代は挨拶しない人が多いようです。また、
引越しの挨拶に伺うタイミングは引越しの片付けが済んでからが多く、平均すると8日後
となっています。
つまり、半数は引越し後の挨拶をせず、しても1週間程度経過してからという意外な結果。
とはいえ、今後お世話になることも、地域でのおつきあいが必須な場合もあるわけですから、特に子供がいるご家庭の場合、常識的な範囲で挨拶しておくに越したことはないでしょう。
誰に挨拶すればいいの?
昔から親しくつきあうご近所を表す「向こう三軒両」隣という言葉がありますが、引越しの挨拶も一般的にはこの範囲。
一戸建てならお向かい3軒と両隣、マンション等の集合住宅なら左右と上下階。
一戸建ての場合、真裏の家にも挨拶する人もいるようです。また、賃貸マンションや住宅なら管理人さんや大家さんにも挨拶しておきます。
挨拶に伺うタイミングや時間帯は?
新居への荷物搬入を伴う引越しはトラックの長時間停車、作業員の出入りなど、ご近所に迷惑をかけることが多いもの。
できれば引っ越し前から、遅くとも当日搬入のタイミングで「ご迷惑をおかけします」と伺うのがベスト。
遠距離引越しや時間帯の関係で難しい場合は、トラックが引き上げたタイミングで、午前10時〜午後6時の食事時以外で伺うのがいいとされています。
それも難しい場合翌日以降なるべく早く行くようにします。
挨拶の品物は何がいいの?金額相場は?のしは必要?
挨拶に持参する品物選びは迷うところですが、
500円〜1000円程度の予算(大家・管理人には1000〜3000円程度)
日用消耗品(タオル、洗剤、ハンドソープ、ボディソープ、入浴剤など)や
お菓子類(コーヒー、紅茶、クッキー)外のし、「ご挨拶 苗字」を記載する。
(苗字は覚えてもらうだけでなく印象も良くなります)
が一般的です。
食品は消費期限が長く、日持ちするものを選びます。
ただし、不在が長く、ドアノブにかけておく場合、口に入れる食品はあまり気持ちが良い物ではないので、日用品の方が無難といえまるでしょう。
引越し前に準備してすぐに取り出せるようにしておきます。
不在が続いた場合はどうすればよい?
基本的には1週間程度は挨拶に伺うべきとされますが、不在が続く場合は、簡単な手紙を添えてポストやドアノブに品物を置いてくるようにします。
手渡ししないと絶対にダメということはありません。
ただし、前述した通り、置いてくる場合には食品は避けた方がよいでしょう。
【体験談】ご近所の印象を良くした、引越し先での挨拶の仕方とは?
引越し先でのご近所付き合いを考えると、挨拶の際の第一印象は大切です。
そして、基本的に引越し作業は近隣の方に迷惑だということも意識しておいた方がいいでしょう。トラックの駐停車やエレベーターでの搬入等、引越しでは当然の行為が、非常識ととられることもあるのです。
実際に引越しの挨拶のタイミングを考える上でも、このようなことを意識することは大切です。
そこで、引越し経験豊富なMさんから教えてもらった、ご近所迷惑に気づかなかった失敗談や第一印象を良くして、ご近所トラブルを防ぐ、挨拶の方法をご紹介します。
Mさんによる体験談から、引越し後の生活を考えればいかに挨拶が大事かということが伝わってきますので参考にしてください。
引越し前にトラブル回避!ご近所付き合いのコツ
引越しというと、荷物をまとめるための労働力や引越し業者へ支払う費用、役所での諸々の手続きなど考えることやすべきことが多く忙しい日々が続きます。
そして、ついつい忘れがちになってしまうのが引越し後のご近所づきあいです。
仕事で成功するために営業マンが大切にするのが「第一印象」です。
これと同様に、ご近所づきあいも第一印象がとても大切なのだそうです。
転勤族で引越しを繰り返す引越しベテラン主婦の声も含めて、引越し後のご近所づきあいのコツをまとめてみました。
ご近所づきあいは第一印象も大切
大きな会社での転勤なら社宅があることもあるかもしれませんが、ほとんどの会社での転勤はごく普通の賃貸物件へ引越し、家賃の一部を会社に補助してもらうというシステムです。
はじめのうちは、引越しが済んである程度家の中が片付いてから手土産を持って引越しの挨拶回りをしていたというMさんですが、あるとき、はじめに持たれてしまった第一印象のためにご近所づきあいに苦労してしまったと言います。
「車を停める場所がなくて、トラックはパイロンを置いて路上駐車しての引越し作業になってしまったのです。引越し先にトラックが駐車できる余裕がないという状況なのはわかっていたのですが、引越し業者の営業担当者が『ああ、よくあることですから大丈夫ですよ』と言ってくれたのでプロなのだから大丈夫だろうと思い込んでいました」
ところが、トラックを停めた場所が悪く、お向かいの家の駐車場から車が出せなくなってしまっていたのだとか。
朝の出勤時でとても急いでいるお向かいさんに引越し業者は謝りながらトラックを動かしたのですが、いったんトラックの扉を閉めパイロンをよけるなどしていて5分以上の時間がかかってしまいました。
そのことをMさんは知らずにいたため、のちに挨拶に行ったときに謝ることができずにいました。後に他のご近所さんから「はじめの印象、悪かったみたいよ」と教えてもらうまで気付かなかったのだそうです。
引越し前に第一印象を良くしてしまう
引越しする前に引越し先での第一印象を良くすることは出来ると、転勤族を夫に持つ主婦のMさんは話してくれました。
「引越しは最初に迷惑をかけてしまうこともあります。遠方だと難しいかもしれませんが、物件を決めて引越しの日が決まったら、引越しの前に簡易的に挨拶を済ませてしまうとその後がとてもスムーズなんです」
Mさんは、こんな内容の手書きの手紙を書いて、多めにコピーを取りました。
引越し先は集合住宅だったのでそこに住む24件と、トラックを駐車するかもしれない場所の近くの家4軒分をコピーしたのです。
はじめまして。○○と申します。
○○コーポ203号室に○月○日に転勤のため引っ越してまいります。引越しの日は騒音やトラックの駐車など何かとご迷惑をかけてしまいますがよろしくお願い申し上げます。
夫○○才、妻の私は○○才、長男中二、長女小五、二女は幼稚園の年長です。
○○から引っ越してくるのでこちらの地域のことを知りません。いろいろと教えてください。どうぞよろしくお願いいたします。
家族の似顔絵を手描きで描き加えてコピーを取ったこの手紙と、ポストに入れても邪魔にならないよう、100円ショップで購入したキッチン用スポンジ(5個入り)をバラしてひとつずつ袋に入れ、Mさんは引越し先の集合住宅のそれぞれのポストと、近所の住民のポストに入れておきました。
すると、引越し当日に「○○さんですね、お手紙ありがとうございました。うちの息子も年長なんですよ。入学は一緒になりますね。なんでも訊いてください」と声をかけてくれる女性や、「うちにまでご挨拶いただいて、ありがとうございました」と声をかけてくれる年配の女性がいたといいます。
キッチン用スポンジは1個20円程度です。たとえ全戸のポストに入れたとしても費用はあまりかかりません。消耗品なのでもらう方も気を遣わずにすみますよね。
Mさんはそれから、引越しが決まるとこうして先にポスト投函で簡単に挨拶をしておき、引越し後は両隣の住居に改めてタオルなどの手土産を持って挨拶に行くようにしているそうです。
「自分が先住民だとしたら、空き部屋にどんな人が引っ越してくるか気になりますよね。先にこちらの情報をある程度知らせることで、安心してもらえます。それに、人って誰かに親切にしたいものだと思うんです。子どもの年齢など共通点があると皆さんとても親切にいろいろ教えてくれますよ」
(管理人から一言)
引越し前に挨拶をすることでトラブルを防ぐことができるのは嬉しいですね。
集合住宅の場合、全戸に挨拶をして回ることはできませんが、ポストに入れることは簡単です。
集合住宅ではなく、一戸建てに引越しをすることになったときも、同様にまずは引越し前にお手紙でポストに知らせて、その後挨拶に行ったそうです。
「ああ、ポストにお手紙いただいた○○さんですね。○○からじゃ遠かったでしょう」と言ってもらえるので会話に困りませんから、挨拶回りが苦手な人にもお勧めだといいます。
Mさんのように、引越し前にポスト投函で挨拶する時間が無かったとしても、できるだけ早く伺い、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちを表現するのが引越し先での挨拶の基本だといえそうです。