引越し 子供 影響

転勤族主婦が語る、転校が子供に与える影響や物件選びの注意点

引っ越して転校する娘がお別れする友達にいつまでも手を振っていました

引越しは子供にどのような影響を与えるのでしょうか。

転勤による引越しは家族にとっても一大事です。とくに、引越しによって転校をしなくてはならない子供には、かなりのストレスがかかり、影響が心配されます。

自分自身が転勤族の子どもとして育ち、引越しによる転校を経験している人や、転勤によって子どもの転校を経験した人などからアドバイスをもらいました。

現代では転勤だけではなく離婚や再婚など親の人生の転機に引越しによる転校をする子供もいることでしょう。

引越しや転校が子どもに与える影響の統計などはありませんが、先輩ママのアドバイスで不安が軽減されるといいですね。

物件選びができるなら、市町村で最も中心部の学区へ

「転勤先は地方でしたので家賃が安く、広い一戸建ての賃貸物件もありました。子育てに環境の良さを求めて、今も農家の方が多い地域の一戸建てに決めました」

転勤族のSさんはそう言います。Sさんの夫は金融関係のサラリーマン。2年〜4年に一度は引越しをしているとのこと。

転勤先は自家用車がないと生活できない環境だったので、夫は「通勤は車だから、住居は市内ならどこでもいいよ」と言っていたそうです。

「今思えば、それが間違いの元でした。同じ市の中でも街中の小学校へ行けばあんな経験をすることもなかったと思います。農村地区が子供の学校生活に与える影響の大きさに、最初から気づけなかったことは失敗だったと思っています。」

Sさんの長女は小学3年生のとき転校しました。引越しは3月下旬。2年生を終えての新学期からだったので馴染みやすいのではないかと思っていたとのこと。

ところが、明るくて活発だった長女は学校を休みがちになります。

夏休みまで頑張って励ましながら通学させましたが、担任や教育委員会とも話し合い、学区を越えて市の中心部にある小学校へ転校することに。

結果、友達も多くでき元の明るい性格に戻ったのだそうです。

「農村地区は新しい家が建っている今でも、昔ながらの考え方のようなものが子供達にまで染みついています。それが悪いというのではありません。子ども達にとっては安心できる地域でしょう。ただ、外部のものが入ってくるという経験が極めて少ない子ども達の中で、娘はかなり辛い思いをしたと思います」

同じ市なのに?と思われるでしょうが、地方都市ではよくあることです。

中心部の学区にある学校へは、商業を営んでいる親やサラリーマンの親を持つ子どもが多いこともあり『知らない人』に対する警戒心が農村部とは違うのです。

大人の「常識」は人によってかなり違いますよね。子どもにそれを押しつけたつもりはなくても、親の「常識」はその子どもにとっての「常識」になっているのだと思います。

転勤族家庭で育った主婦が語る、転校して良かったこととは?

転校して良かった事を小学生の娘に聞いてみた

「小学校では2回転校しました。学校は大勢の子どもを同じように教えなくてはならないため、かなり良い先生だったとしても転校生への配慮が十分にはなされません。

困ったり、寂しい思いをしたりしますがそれは悪影響ではなかったと今は思います。

どうしたらいいのかわからないときはきちんと尋ねる、友達と仲良くなるためにちょっとだけ話しかけて様子を見るなど子どもなりにその環境で学んでいきます。何も困らないで過ごした子どもより、物事に対処する術を身につけられたと思います」

「小学校1年生の3学期に転校しました。お道具箱や算数でつかうおはじき、絵の具セットなどすべてが他の子と違ったことがとても嫌でした。すべて購入したばかりの1年生なので新しく買ってもらうことはできませんでした。

大人になった今、『他の人と同じではなくても平気』という度合いが私の場合かなり高いのはそのせいでしょうか。そのときは嫌だったんですけどね。今は人と比べない分だけ他の人より悩みが少ないと思っています」

転勤族の母親が感じた引越しが子供に与えた影響とは?

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「いじめというほどではないとしても、例えば女の子の場合仲の良いグループができていたりして仲間に入れないというようなことが次女の場合ありました。

本が好きであまり積極的ではないタイプなので、休み時間は本を読んでいたようですが自由にグループをつくる遠足などでは嫌な思いをしたと思いますね。

たまにそんなことを話してくれるときには真剣に聞くようにしていました。

長女はあまり勉強しませんでしたが、どこでもすぐに仲の良い友達を作っていましたね。きっと、転校してもしなくても子供にはいろいろなことがあると私は思っています。

どんなトラブルも『転校しなくてもあったかも知れない』と思うようにするといいと思います。実際に転校しなくても急にいじめられたりすることもあるようですから」

「大学生になった息子は、長い休みになると中学のとき仲の良かった友達の家に泊まりがけで遊びに行っています。逆に、高校のときの友達は大学生になってうちの近くにひとり暮らししているのでそこへもよく行っていますね。

転校生と友達になるような子は性格の良い子が多く後にはちゃんと勉強するような子が多いです。

つまり、転校生になることで質の良い友達ができるということだと今実感しています。みんな視野が広くて賢い子たちですよ。

あの若さで遠く離れたところに友達がいるというのは、今後の人生にもとても良い影響を与えてくれると思っています。