エアコン移設の適正価格は?〜工事依頼する前のチェックポイント
引越しの際に、現在お使いのエアコンを新居に移設して使いたいとお考えの方にとって「エアコンの取り外しや取り付け工事、運搬費等、移設にかかる費用はいくらなのか?」が一番気になるところですね。
移設費用の相場を知れば、業者の見積もりが高いのか安いのか?料金比較の参考になりますし、予算に応じて移設か?買い替えか?の判断材料にもなります。
しかし、エアコンを設置する建物や設置場所の状況は一件一件異なり、現在使っているエアコンの消費電力や電圧や使用期間等もそれぞれ異なるため、相場料金だけでなく、それぞれの状況に応じたエアコン移設のおおよその適正価格を把握しておかないと、想像以上の出費に後悔することになりかねないので注意が必要です。
例えば、エアコンの配管や電線、排水ホース等が再利用できるのかどうか?といった条件によっても、工事費は大きく異なってくるのです。
さらに、業者の料金設定や標準工事の内容も各社異なりますので、移設費用が追加料金の発生で想像以上に高くなったり、相場料金を上回る可能性もあるのです。
実際に引っ越しのとトラブルの中でこのエアコンの移設費用に関するトラブルも少なく、その大きな要因のひとつが依頼者の想像を超える追加料金の発生です。
追加料金を請求され後悔しないためには、工事依頼する前にいくつかのポイントについて把握しておく必要がありますので、確認しておきましょう。
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工事依頼する前に、チェックしておきたいポイントは
- エアコンの冷房能力や電圧、取り外し前の冷暖房効果等
設置する建物や設置場所の状況
エアコン業者の標準工事の基準や内容
移設工事に必要な部材
などです。
一般的なエアコン標準工事の基準と追加料金が発生するケース
一般的な標準工事の基準とされる条件をご紹介します。ただし、エアコン業者によって異なる可能性もあるので事前にチェックする必要があります。
一般的な標準工事の基準
- 室内機と室外機が同一階で、室外機設置はベランダの床や地面置き。
室内機と室外機の距離が4m以内。(冷媒配管の長さは4m以内)
配管や電線を通す穴が壁に空いている。(標準工事に工事穴あけ1箇所を含む業者も)
エアコン専用のコンセントがある。
既存のコンセントと移設先の使用電圧が同一。
以上が標準工事だとすると、それ以外の工事には追加料金が発生することになります。
追加料金が発生するケース
室外機の特殊設置
室外機の設置場所は追加料金が発生する大きなポイントとなります。
屋根置き・壁面吊り・天吊り・2段置き、タテサン(縦桟)が必要な場合等は、10000円〜15000円程度の追加料金がかかります。また、高所作業による追加料金が発生することもあります。
エアコン専用コンセントがない
単独回線のエアコン専用コンセントがない場合は、追加の増設工事が必要になります。
また設置場所の電圧やコンセントプラグの形状が既存のモノと異なる場合は、 電圧変更工事(100V⇔200V)・コンセント交換工事が必要となります。
壁にエアコン専用の穴が空いてない
壁にエアコン専用の穴が空いていない場合、穴あけ工事が必要になります。
尚、木造・サイディング・モルタル・壁・タイル・コンクリート等、材質によっても穴あけの追加料金が異なります。特にコンクリート壁の場合は10cm〜20迄といった条件があり、要見積もりとする業者もあります。
配管パイプや連絡電線、ドレンホースなどの部材が劣化により使えない
劣化により使えなくなった既存エアコンの配管パイプなどの交換部品は有料となります。
新品部材の利用で大きく費用に差がつく
既存の配管を再利用するのか(出来るのか)、新品部材を使うのかは、取り付け費用を大きく左右するポイントになります。
冷媒配管は一般的に1mあたり2000円〜3000円ですので、通常必要とされる3〜4mでは、6000円〜12000円程の差がついてしまうのです。
激安だと思っていた業者の価格も配管の料金を加えれば、決して安くはなかった・・・ということになりがちですので注意が必要です。
既存配管が再利用できるか否かは、素人には判断が難しく、業者判断を信用せざる負えないところもありますが、信頼できそうな業者(できれば近所の電気店等も含め2社以上に)に確認してもらい、業者の意見と工事直近のエアコンの効き等を合わせて検討して下さい。
ちなみに、潰れや経年劣化で物理的に再利用できないケースは新規配管の引き換えも仕方ありませんが、取り外し直前まで冷暖房効果が低下していなければ、多くの場合、再利用は可能といわれています。
(引越し業者や家電量販店の下請け業者にとっては利益を確保できる部分でもあり、使用可能な配管を使えないので交換と偽る業者もいるようですので要注意です。直接、配管の状態も確認せず、再利用はできませんという業者は避けた方がいいでしょう。)
こちらも参考に⇒エアコン取り付け業者の選び方
一般的な標準工事の内容とは?
標準工事とされる内容は業者によって異なりますので、業者のホームページや見積もり、問い合せに等で事前確認しましょう。
取り外し工事の内容
ポンプダウン作業
エアコン室内機や室外機の取り外し
配管穴のパテ埋め
取り付け工事と同様に、屋根置き・壁面吊り・天吊り・二段置き等の 特殊設置の場合や配管の長さが4m以上になる室内機2F→室外機1F等の場合は追加料金が発生します。(2000円〜3000円程度)
通常、配管キャップは有料で配管類の取り外しの際、化粧カバー仕上げの場合は別途有料としている業者もあります。
また、冷房能力(kW・何畳用か)によって、取り外し料金が異なる業者もありますので要注意です。(例:〜3.6kw迄4000円・3.7kw〜5000円等)
取り付け工事〜新品部品を使用する場合の工事内容
取り付け工事は既存部品を再利用するか、新品部品を使うかで、大きく価格が変わります。
また、特殊工事や交換部品などは、別途有料となります。
配管パイプ(室外機から室内機までのパイプ)や連絡電線は4mまで
室外機の設置はベランダ置きまたは大地置き
冷房能力3.6kWまで
穴あけ工事1箇所まで
真空引き
配管穴パテ埋
配管化粧テープ仕上げ
プラロック(室外機設置用の台・既存使用の場合も)
多くのエアコン業者が上記の様な工事内容を標準的な基本工事として設定しており、その他の工事には別途追加料金が請求されます。
既存部材を再利用する際は、上記から配管パイプや連絡電線、ドレンホースを除いた工事内容となります。穴あけ工事に関しては標準工事には含まれず別途有料となる業者が多いので確認してください。
また、既存エアコンの冷房能力(kW ・何畳用か)も取り付け費用を左右しますので要チェックです。業者指定の冷房能力を上回っている場合は、割り増し料金となります。
業者によって数値は異なりますが、一般的に2.8kW〜4.0kWを境界線として、料金がアップします。冷房能力3.6kWまでとする業者が最も多いようです。
少数派ですが100V・200Vといった電圧によって、料金が異なる業者もあります。
ちなみに容量が4.0kW以上のエアコンは単相200V仕様となります。
稀なケースですが、真空引きを標準工事に含まない業者もいましたので、この点も確認が必要です。
さらに、既存配管使用の際は、通常工事に含まれるフレア再加工を別途請求する業者もいるようですので、念のため質問リストに加えておいた方がいいでしょう。
エアコン移設の工事費(取り外し取り付け)の相場
エアコンの移設を業者に依頼した場合、取り外し取り付けの料金の相場はいくらくらいでしょうか?
一般にエアコンの取り外しと取り付けを合わせた移設工事の料金相場は2万〜3万円といわれていますが、管理人が実際に多くの電気工事業者や引越し業者の料金表を確認して計算してみました。
工事内容別エアコン工事費の相場
取り外し標準工事費の相場は5000円
室外機の特殊設置や大型サイズのエアコンを除く、取り外し標準工事の料金は2500円〜7000円と業者によってかなり差がありましたが、平均相場は5000円程度といえそうです。
(回収まで行う業者の中には無料〜2000円と格安な料金設定の業者もあります。)
既存配管を再利用した場合の取り付け標準工事費の相場は7000円
冷媒配管等の既存部品を再利用した場合の取り付け標準工事の料金も5000円〜12000円と業者によってかなり差がありましたが、設置費用の平均は7000円程度でした。
新品部材を使用した取り付け標準工事費の相場は16000円
冷媒配管4m等、新品部材を使用したエアコンの標準取り付け工事の料金は14000〜21000円で、平均すると16000円程度となりました。つまり既存部品を再利用する場合に比べ、新品部材を使用すると倍以上の費用になるということです。
やはり、実際に計算し比較してみると既存配管を使用するか、しないかが設置費用を大きく影響することが分かりますね。
料金比較する際はエアパージ作業(真空引き)や配管貫通の穴あけ工事が含まれているかどうかも要チェックです。また、料金だけでなくガス漏れ検査や1年間工事保証の有無なども合わせて検討して下さい。
取り外し取り付け工事を合わせたエアコン移設費用の相場は?
以上の料金を基に、取り外し・取り付け工事を合わせたエアコン移設費用の相場を計算すると
既存配管を再利用した場合、脱着工事だけなら、
取り外し5000円+取り付け7000円=13000円
となり、料金は2万円以内に納ります。
しかし、この料金に
- 配管等の部材交換 (例:2分3分配管2500円×4m=10000円)
追加工事 (例:穴あけ2000円・電圧変更2500円・コンセント交換2000円)
室外機特殊設置 (例:屋根置き・壁面・天吊り12000円)
ガス補充 (例:6000円〜新冷媒R410Aは追加補充できません)
室外化粧カバー (例:2mあたり4000円〜8000円)
基本工事にはなく、費用計算を忘れがちですが、室外化粧カバーの有無は見た目だけでなく配管の劣化にも大きく影響します。
等の追加料金が加わると、2万円以上になる可能性は少なくないでしょう。
ヤマトが基本工事とよくある追加工事をパックにしたお得な商品として提案しているエアコンパック(27000円〜)やサカイ引越センターのSパック移設(20000円)等の料金を見ても、一般にいわれている相場2万〜3万円程度は間違ってはいないようです。
ただし、引越し業者や家電量販店の下請けをしているエアコン専門業者に直接依頼すれば、手数料のかからない分、格安になる可能性は高くなります。
実際に取り外し工事と取り付け工事がセットになったエアコン移設工事が8000円〜という格安業者もありますので、いくつかの業者に見積もり依頼してみてはいかがでしょうか。
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いずれにしても、料金相場を知るとともに、エアコン移設の基本的な工事内容や費用、追加料金の発生するケース等について事前に把握しておくことが、予想外の追加料金の発生に後悔したり、業者選びに失敗しないためのコツといえるでしょう。